© 2024  Okano Yasushi

「フォトアーキペラゴ写真学校終了作品展」に参加します。

期間:2018/8/26(sun)〜9/2(sun)

場所:香川県文化会館県民ギャラリー 2F

作品タイトル:「景色、凪ぐ」

展示内容:大四切プリント8点/ブック92P

詳細URL:http://school.photo-archipelago.com/2018/08/02/755/

 

急ですが、近くにお越しの際はお立ち寄りいただけると幸いです。

※ブックは若干予備のサンプルをご用意していますので、ご用命の方はお気軽にお問い合わせください。


昨年秋より1年間、石川直樹さんより講義やポートフォリオレビューを受けて、今までの自分の写真活動を振り返るとても良い機会になりました。

学生時代に先生が何度も口にしていた「モノではなくコトを撮れ」という言葉が、やっと消化できたように思います。

場所・構図・色・機材・思い入れなどに依存するようになっていた作風を見直し、「何を撮るのか」「なぜ撮るのか」を自分の頭と心に問いながら、ゼロからスタートする気持ちで作品を作りました。

少し長いですがステートメントを載せておきます。


景色、凪ぐ ステートメント

 

4年前、 2つの生を授かり、10年住んだ東京を離れてこの町に戻ってきた。そして1つの死を見送った。

目に見えない大きな歯車が噛み合い動き出した気がした。

自分の中に、それまでとは違う感覚がじわじわと芽生え、気になる事柄や目が向く対象、趣味嗜好などの判断基準に影響を与えるようになってきたように思う。

些細な自然の移り変わり・偶然の出来事・子供の成長・いつもの海・明日の予定…そんなものが交わり、積み重なり、絡み合い、そして擦り切れ、隙間ができ、また交わって大きなうねりとなって流れていく。うまく言葉にできないがそんな感覚だ。

偶然に起こっていることは「自然の意志」なのかもしれない。

人の為すことは「自然の現象」の一部に過ぎないのかもしれない。

どっちが正解だろう。

成長してゆく子供たちは「人」と「自然」の境界を、軽やかに行き来している。彼らの振る舞いを見ていると、その境目は実に曖昧なもので、白黒つけること自体が無意味なことに思えてくる。

「ぼっこーきばるなよぉ。成るように成るんじゃけぇ。身をまかせときゃーええんじゃ。」

空の上の父親から小突かれているような気がした。

この写真は、日々目の前に繰り広げられる光景と、じわじわと変わり続ける自分自身の感覚を、とどめておこうとした痕跡です。