© 2026  Okano Yasushi

Statement

その光景は、道すがら忽然と顔を出す。

知らない誰かの生活の知恵。
自然現象の小さなうつろい。
生き物の貪欲な本能。
植物のしたたかな戦略。

その光景は、生きとし生けるものの境界線上に生じる。
ときに手を差し伸べ、ときに抗い、ときに溶け合い、
ときに淘汰され、駆け引きに終わりはない。

毎日を生きながらえるために。
それぞれの生を全うするために。

明確な解を求めれば、緊張が走る。
曖昧に滲むことで、何かが紡がれる。

劇的な良いことが起こらなくてもいい。
劇的な悪いことが起こらなければ。

今日も日が昇り暮れてゆく。

 


世の中では歴史に刻まれるような出来事が日々起こり続けています。

私たちは自分自身の精神・身体・利益などを守るために、また家族やコミュニティなどを想いながら「ふつう」であるために、日々行動しているのではないでしょうか。

「ふつう」ってなんだろう? この問いにどう答えるかは、私たちが生まれながらに持っている個性によって、また環境・状況・関係性などによって千差万別です。そして、その境界は、ゆるやかに調和する場合もあれば、大きな歪みが生じる場合もあります。

カメラを手にし、平凡な日常を見渡してみると、人と人・人と自然・自然と自然・有機物と無機物などの間に、小さな境界が無数にあることに気づかされます。そして、その数だけ繰り広げられている駆け引きに、私はなぜか魅力を感じてしまうのです。日常はなんてドラマチックなんだろう。と。

街を歩き、シャッターを切り、作品を編む。この作業は取捨選択の連続であり、境界のどちらに立つかを常に突きつけられているかのようです。自己と他の差異を認識し「ふつう」の概念が更新されていくことは、一種の鍛錬であると同時に楽しみでもあります。

一歩踏み出せば、あらゆる光景が新しい視座を与えてくれるのです。

この作品が誰かの何かのきっかけになりますように。

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